速読ができません。(※ネタばれ一応なしです。)

博士の愛した数式
根っからの文系人間なので数学は苦手でした。これ中高生くらいの時に読みたかった。意味なんて深く考えることもなくまる覚えしていた数学の公式が、世界を現すこんなにも美しい形だなんて思ったこともなかった。答えはひとつだけ、と思っていた算数・数学の世界が、「その答えは誰もまだわかってない」という広がりをみせるのが不思議で意外でわくわくします。静かで美しい世界。理系の人がつぶやく「美しい・・・」の意味がわかります。映画化されてるんですね。レンタルしてみよっかな。


少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

・少女七竈と七人の可哀相な大人
桜庭さんの作品はいつもどこかしら近親相姦の気配があって、そこがちょっと苦手だったんですが、これはいけました。不思議な桜庭ワールドにすんなりひたれた。美しく生まれてしまった少年と少女。小さな地方都市ではどうしても浮いてしまう異形の相といってもいい美貌。滅多にいないけど、そんな風に生まれてしまったら、芸能人とかモデルとかにでもならないとおさまりがつかないだろうなあ、と思う。ちょっと可愛いだけでも、地域や学校で話題になるものですもんね。
雨に濡れそぼった美少年と美少女が悲しげに向かい合ってる、そんな情景が浮かびます。


模倣犯
今さら感がありますが、厚さにひるんで読んでなかったんです。でもさすがの息をつかせぬ展開に一気に読めた。長かったけど。宮部さんの頭の中ってどうなってんのかなあ。よくこんな展開を思いつくなあ。犯人の化けの皮がはがれていく様子にドキドキしましたよ。映画は観てないのですが、これを中居さんで想像ができない。頭は回るけど頭脳明晰ってわけでもなく、不遇で不幸でチャイルディッシュな犯人。中居さんとは間逆な感じがする。笑
浩美役は誰がやったんだろ。映画観ればいいのだけど、暗くなりそうでちょっと躊躇してます。

手紙 (文春文庫)

手紙 (文春文庫)

・手紙
主人公のあまりに過酷な人生にうなだれてしまう。加害者側の家族になってしまう恐怖というのは犯罪抑制力になってるのかもしらんけど、兄弟姉妹とかは大迷惑というか人生狂わされるので恨んでも恨みきれないだろう。こういうのって日本が特別その傾向が強いのかなって、凶悪犯罪が起こる度に思います。欧米とかだと、犯人の家族が割とメディアに平気な顔(のように見える)で出てきたりするような。個人主義だから、家族に責任を押し付ける傾向が日本より少ないのかな。日本は連帯責任の傾向が強いですよね。でも被害者側の家族の苦しみも想像してしまうし。その重苦しさがよくでてました。
東野さんは社会的ハンデがあったりマイノリティみたいな存在がよくでてくるけど、結構重いので、元気な時じゃないと読めなかったりします。




何だかやたらと読書がしたい時期なので、ここまで読んでくれた優しい貴方、拍手でもコメでもスターでも、おススメあったら教えて欲しいです。活字が読みたい。何かそんなときありますよね。