真夜中の弥次さん喜多さん   主演  長瀬智也  中村七之助


遅ればせながら観てきました。
うう〜ん、わっかんねー。(笑)


しりあがり寿さんの原作自体が難しいというか私には理解困難だったんですが、でも原作の雰囲気はうまく出ていたような気がします。クドカンワールドというよりは、しりあがりワールドですね。夢と現実が入り乱れ、もうどっちがどっちかわかんない。喜多さんがホモでヤク中というあんまり救いのない設定なので、幻想・幻覚・幻聴が怒涛のように押し寄せて、観てるこちらもパニックです。重症のアル中の人が観る幻覚症状とかあんな感じなのかな、と思う。ピンクの象が見えるとか、小人が歩いてるとかいいますよね。
自分が狂ってるのか、世界が狂っているのか。
うえー、つらいー、って観ててちょっとブルーになりました。
しかしそれでも、「世界で一番、喜多さんが好きだー!!」と叫んでくれる恋人がいるんだから、喜多さんは幸せなんじゃないかと思うんですが。長瀬くんは、「とにかく喜多さんが好き!何とかしてあげたい!」っていう弥次さんを好演してました。一生懸命、愛を叫んでくれそうな雰囲気が彼には確かにある。  
でも弥次喜多のキスシーンはちょっと濃かったなあ。なんかもー、ぶっちゅー!!って感じなんだもん。私の頭もたいがい腐ってますが、あのシーンはちょっとひいた。いやいや、頑張りました二人とも。
あと余談ですが、私の前の席に、何を間違えたか小学生の女の子二人とご両親っぽい家族連れがいて、ラブシーンになる度、気になってしょうがなかったですよ。どーしてこの映画にきちゃったの!隣ではクレヨンしんちゃんだってコナンくんだってやってるのに!!笑



七之助くんの演技って初めて観たんですが、原作の喜多さんのイメージにピッタリでした。ホントにヤク中に見えましたよ。浮世離れした感じを表現するのが歌舞伎役者の人って上手い気がする。なんて歌舞伎なんて全然観た事ないんですが。でも、お父さんが出てきた時は、 「断れよ!!!」と思いました(出演を)。いやー、好きです。勘九郎さん。笑
クドカンお馴染みの出演者が大勢出てきます。キャラ立ちの強烈な演出はやはりクドカンワールドですね。そして荒川良々さん祭りです。夢に見そうです。気持ち悪いってばー。もー。
あと弥次さんの女房を演じる小池栄子ちゃんがよかった。夫が他所に愛人(しかも男)を作って自分を捨てようとしている。やりきれなくてどうしようもなく苦しんでいる奥さんの迫力がありました。あの夫婦のやり取りだけがまさに「リヤル」。
最初の弥次喜多の長屋の場面とか、夫婦の場面なんかがモロクロ映像なんですね。道中は鮮やかなカラーの映像なんだけど。現実の場面の方が暗くて色のない重たい映像。うーん、ツライなあ。
喜多さんはひどいヤク中で、弱くて、現実を生きていくのに向いてない。そもそも生きてても現実がちっとも感じられない。じゃあ、その「リヤル」を探しにお伊勢参りに行きましょう、というところからお話がはじまるわけですが、結局伊勢に行けたんだかどうだかもわからないまま。


現実なんて誰が把握してるの?ということなんでしょうか。


何だかね、わかんないんだよ。1回観たくらいじゃ。DVDが出たらもう1回観ようかと思います。ダメダメ映画なのかどうかそれすらもわかんない。


こ、こわい・・・・。↓