BANDAGE

観てきました。
内容に触れてますので、畳みますね。

赤西さんPV映画かな?と構えながら観たのですけど、違った。
音楽好きというかバンドスキーな人たちに対する愛ある視点での映画でした。こんなバンドほんとにあったんじゃないかなあ、と思わせる。小林さんはほんとに音楽好きなんだなあーというのが伝わってきます。小林さんが撮ってるので当たり前だけど、演奏場面にリアリティがあるので、カッコいいっしょ?的な安っぽい感じにはなってなくて、面白く観れました。
アサコが案内人で、LANDSというバンドのドキュメンタリーを観させられてる感じ。赤西さんが自然体というか、役を演じてるという雰囲気が妙に希薄で、それが余計にそんな印象を持たせてるのかもしれません。ナツという掴みどころのない、ダメ男かも、でも何だか魅力的?という役柄がはまってました。アサコが去って、バンドも崩壊の危機、みたいなスタジオで、深くフードを被って顔を見せずに「20歳の戦争」*1を歌うナツの歌声は限りなく透明に澄んでた。
でもこれ現代でも十分ありそな話で、別にわざわざ設定を90年代にしなくてもよかったんじゃ?とも思いましが、小林さんと岩井さんはその頃30代くらいの働き盛りな時期だったせいかなあ、たくさんたくさん、消えていったバンドを見てきたのでしょう。最後に暗いスタジオで、無声で歌う赤西さんは、そんな彼らに対するレクイエムを捧げているようだった。祈るように歌う赤西さんがとても綺麗で、監督はこれを誰かに歌って欲しくて、彼を選んだのかも、なんて思ったりした。


しかし平日の午後に観にいったんだけど、自分含め観客が4人でした。4人!スシ王子だってもうちょっといたよ!笑
平日に休みが入るとたまに一人映画に行くのですが、ここまで観客少ないの初めてです。学生向けじゃないんだよね、きっと。赤西さんファン以外の女子中高生大学生が食いついてはくれなさそうではある。ある意味おっさんノスタルジー的映画なワケだし。そのへんが「NANA」とは違います。いや、NANAはバンドものでも少女漫画原作だし全然趣旨が違うんだけどさ、一人の少女と男前バンドという設定は同じじゃないか。それでここまで違うのが何か面白いなーと。


映画館でみるべき映画だと思うんだけどね。ギターの歪んだ音、乾いたスネアのリズム、下っ腹に響くバスドラム。音響のいい映画館でみるとライブにいったような迫力です。RIZEのドラムの人が超かっこいい。
食わず嫌いせずにバンドスキーな方にはぜひ映画館でどうぞ。・・・・・と、販促したくなるくらい空き空きな映画館でしたよよ。笑

*1:しかしすごいタイトルだ。